ブックカタリスト

BC139『ケアと編集』と『遊びと利他』

May 19, 2026·1h 7m
Episode Description from the Publisher

今回から2冊テーマシリーズを始めます。第一回は、『ケアと編集』と『遊びと利他』の二冊を取り上げます。二冊テーマシリーズとは“二冊テーマシリーズ”は、一見異なる二冊の本から共通的なものを取り出そうという試みです。読書の醍醐味の一つです。そうした「取り出し」を行うには、まず本の外側に立つ必要があります。本の中に閉じこめられていると「その本」しか目にはいりません。そうではなく、より広い視野で本を捉え、位置づけること。ただし、手前勝手に位置づけるのは厳禁です。読むときは本の世界に入り込み、読み終えた後でその外に出て考える。言い換えれば、一人の著者が言わんとしていることを捉え、また別の著者の言わんとしていることを捉え、その二つを呼応させる。そういうアプローチです。もちろん、誰がどう見ても同じこと言っているよね、という二冊を取り上げても面白みはありません。かといってどれだけ言葉を尽くされてもその二つがつながっていると理解できないものは受容はされないでしょう。「一見すると」遠いような、しかし読んでみると納得できる程度の距離感を見つけるのが書き手・語り手としての腕の見せ所です。入れ子状の構造といったことが、知的に面白いのだよ、と示す為にまさにそういうことを行っている二冊を今回は取り上げました。それが『ケアと編集』と『遊びと利他』です。タイトルが示すように、それぞれ「ケアと編集」と「遊びと利他」のつながりを示している本です。つまり、一見すると異なるトピックが結び合わされています。そのような本二冊から共通するテーマを取り出そうとする、という入れ子状の構造になっています。(文字で書いて説明していても、こんがらがってきますね)意図・意志・支配・管理・効率……実際どんな風に語って、要素を取り出しているのかは本編をお聴きいただくとして、重要なのは単一の主体の「思った通りにする」ことの貧しさです。私がある種の自己啓発に拒否感を覚えるのはこの点で、「思考が現実化する」ことが嬉しいことのように語られることがあるわけですが、自分の思考ってバイアスだらけで、ろくな想像力をしていないわけですから、その通りになるのは現実を「自分の思考の枠組み」に抑えこむのに等しいのです。ぜんぜん嬉しくありませんね。でもってこれは、強引にたとえるならば、「単一意志の独裁政権」と言えます。独裁政権がヤバイことが直観的に理解できるなら、単一意志の思い通りになる(思い通りにしかなっていない)ことのヤバさもイメージできるかもしれません。でもって、独裁政権はある観点で言えば、圧倒的に効率が良いのです。だって、トップが決めたら、他の誰も口を挟むことはできません。会議も打ち合わせも根回しも妥協もいらないのです。それが最高効率を実現させるのだとしても、長期的にみてそれでいいと言えるのかどうかはちょっと考えた方がよいでしょう。管理や効率は、部分的に効いているならばうまく働いてくれます。でも、それが全体を支配し、「それって変じゃないですか」と誰も言わなくなったら、危険度が増します。倉下は片方では、そのような効率化への工夫を好んでいますが、もう片方ではそのようなものが支配的になることへの警戒感を持っています。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

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